耐震診断とリノベーション

リノベーションは自分仕様に!

新築住宅と中古住宅

法律で新築住宅とは建てて1年未満かつ一度も人が住んだことのないもの。と定義されています。1年以上も前に建てられた建売住宅に新築物件として広告に載っていたら気を付けて下さい。また建てたばかりでも一度でも住んだことのあるものは中古建物です。
最近は中古建物とは言わず、既存建物と言われます。インスペクションなども「既存住宅状況調査」などと言います。語感も中古より既存の方がいいかもしれません。

既存住宅状況調査(インスペクション)

最近よく耳にする言葉ですがインスペクションとは何でしょうか。
一言で言うなら建物の健康診断とでも言いましょうか。私たち人間は歳を取ると健康に不安が出てきて健康診断を受けます。建物も建ててから年月を経てくると劣化が目立つようになってきます。放っておくと雨漏りや時には傾いたりしてしまいます。劣化が進むと修理ではすまず、大規模な改修工事が必要になってしまいます。建物は大事な財産でもありあなたやご家族の命や生活を守るお城でもあります。
建物は年月が経てば間違いなく劣化は進んでいます。建てて10年が経ったらインスペクションを受けてみてください。その後は5年位毎が良いでしょう。20年以上経過されている住宅は出来るだけ早いインスペクションをお勧めします。
大きな地震はいつ起きても不思議ではありません。インスペクションに耐震診断も一緒にされるとなお良いでしょう。

インスペクションは何を調べるのでしょうか。

国土交通省でインスペクションの基準が策定されています。
調査する内容はこの基準に従い厳正に行います。では検査項目をご説明していきます。

①外部基礎(構造)
②外壁(構造)(雨水)
③屋根(雨水)
④バルコニー(構造)(雨水)
⑤天井、小屋組、梁(構造)/天井、小屋組(雨水)
⑥内壁、柱(構造)(雨水)
⑦床(構造)
⑧土台、床組(構造)
⑨内部基礎(構造)
⑩設備配管(給水)(給湯管)(排水管)(換気ダクト)
等々あり、この他にもオプション調査もあります。それぞれに詳細な検査項目があり全部で50項目以上にのぼります。
また同時に耐震診断もされると後日別々にされるより費用も安く、時間も短くて済みます。これらの結果を見て耐震改修、劣化改修計画を練ることができます。やみくもにその場その場の追っ付け改修では最終工事費は幾らになるのか心配です。事前に修繕計画を立てておけば安心です。

耐震診断

関東地方にいつ来てもおかしくない大きな地震。先日も夜中に大音量でスマホの地震警報が鳴り響き、余りのけたたましさに目が覚めました。一瞬「あ~、とうとう来たか。」と覚悟を決めましたが、私の住む船橋は大した揺れではなくほっとした次第です。千葉県の応急危険度判定士の資格を持つ私ですが、赤紙(立ち入り禁止)は貼りたくないものです。そのためには戸建て建物で暮らす方々が安心できるようにお手伝いしたい気持ちが一層強くなっていました。

国や地方自治体では避難道路に面している建物や公共の建物に対し早急な耐震診断をし、耐震改修が義務付けられています。一方、戸建て住宅や民間の建物は努力義務になっています。だからと言ってやらなくて構わないという訳ではありません。影響するのはあなた自身だからです。前述の公共建物は費用の一部が公費が使われますが、民間の戸建て住宅にも補助が出ます。自治体にもよりますが、船橋の場合は耐震診断に費用の半額(6万円まで)補助されます。改修工事も1/3(70万まで)補助されます。地震が起きてからでは意味がありません。起きる前の早急な対応が望まれます。

既存住宅をリノベーションする

建物が古くなったり、家族構成が変わったり、生活環境が変わったり 今まで住んでいた住宅を新しくしたい。と思われたことはありませんか?

こんな時建て直すか、リノベーションするか迷ってしまいます。私はリノベーションをお勧めします。何故なら安く済むからです。しかも優良住宅化、耐震改修、省エネ改修、バリアフリー改修することにより工事助成金が出たりもします。そしてこれらの工事をすると税制優遇措置を受けられたり地震保険料が最大3割も安くなります。

リノベーション 其の1

リノベーションのきっかけ

ご自身やご家族の環境が変わったときが生活する場の環境を考え直す絶好の機会です。その生活の場の環境を変えるとは何をどの様な事をするのでしょうか。
例えば定年退職したとき体はまだまだ元気なのでアクティブな生活を続けたい。こんな方には趣味を充実できる環境を。新しい仕事を始める方は仕事のための環境を。ゆっくりしたい方は身も心も癒しのある環境を。
ちょっと体に自信がなくなってきた方は将来のためにこじんまりした環境やユニバーサルデザインを取り込んだ環境にできたら楽しく暮らせそうです。

リノベーション 其の二

リノベーションの流れ

リフォームという言葉は知っているがリノベーションという言葉は耳慣れないとおっしゃる方も多いのではないでしょうか。業界でのリフォームとは古くなったり壊れたりしたものを修理したり交換したりするのことを言います。浴室をユニットバスにしたりするのはリフォームです。一方キッチンの位置を日当たりの良い南側に移動したり壁を取り払ってDKをLDK に間取り変更した場合をリノベーションと言っています。まぁあまり厳密な定義はないですけど。

さてどんな流れでリノベーションは進むのでしょうか。ここでは中古住宅を購入してリノベーションして引っ越す。という例でお話しします。
お客様は意に即した建物があれば不動産業者はご希望の工事ができる建物か調査して可能ならば売買契約になるのですが、契約の前に売主さんへインスペクションをお願いしましょう。建物の傷み具合を調べます。傷みが大きい場合は避けます。問題がない場合は契約をします。
ここからがお客様の住生活の設計が始まります。まだ建物の設計ではありません。洋服のオーダーメイドなら採寸とどのような場所へ行くときに着るかという聞き取りです。それが終わるとデザインを考えたり生地を選んだり色や柄を決めたりします。建物では設計図を描きます。間取りを考えたり使う材料を決めたり設備の方式を検討したり、そして完成してお引き渡しをするまでにかかる費用や日数を試算し予算内に収まるか、検討します。次に施工業者の選定をします。図面通りの工事をしてくれるのか、技術はあるのか、途中投げ出したりしないだろうか、等々検討し見積書を複数社に出してもらいます。設計者が試算した金額を参考にしながら施工業者を選びます。リノベーションの内容によっては確認申請が必要な場合もあります。この時は確認書が下りてから着工になります。

工事に入る前に設計者はお客様を交えて施工業者に工事内容を説明します。工程表通りに工事をスタートし途中随時工事経過を見に行き問題個所があればその都度お客様に連絡を取り費用の掛かる部分は了解を得てから先きに進めます。
工事が終われば完了検査をし問題がなければ引き渡しになります。建売住宅を買うのとは違い時間はかかります。自分仕様の家を造るのですから仕方ありません。これも安心と楽しみの時間と思って下さい。どうせリノベするなら資産価値も上げてしまいましょう。

ZEH(ゼットイーエイチ)

初めて目にする方も多いのではないでしょうか。2020年にはZEHが新築住宅の標準レベルになります(国の政策目標)。この政策は地球温暖化対策(パリ協定)でつくられています。
ZEHは(net Zero Energy House)の略で年間に一次エネルギー消費量の収支を±ゼロにする住宅、平たく言えば超省エネ住宅と言うことです。

新築住宅だけの目標ではありません。今あなたのお住まいになっている既存住宅もZEHにして地球にやさしく冷暖房にかかる経費も下げましょう。
リノベーションするならZEHも一緒にクリアーしましょう。
ZEHは戸建て住宅の場合
◇省エネルギー対策
  断熱等性能等級4(最高等級)の基準
◇維持管理対策
  維持管理対策等級3(最高等級)の基準を満たす。戸建て住宅で対象となるのは専用配管のみ
◇劣化対策
  劣化対策等級3を満たした上で、木造住宅の場合は小屋裏点検口の設置、床下有効高さ寸法を330㎜以上とする
◇耐震対策
  耐震対策等級2以上を満たす。すなわち、構造計算では地耐力×1.25の耐力が必要。4号建物では壁量規定などによる方法が別途規定されている
の4つの対策等級があります。

長期優良住宅

長期優良住宅の認定基準は
◇住居環境
  長期間での環境維持・向上を目的として、行政の定める地区計画・景観計画・条例などへ適合させる。
◇面積
  戸建て住宅は住居に要する面積を75㎡以上、共同住宅等は一戸の床面積を55㎡以上とする。
◇資金計画
  維持保全を行うための資金が適切であること。
◇維持保全計画
  建物の耐久性を長期間維持・確保するために必要な維持保全計画を策定する。

この他前述のZEHの4項目の合計8項目の基準があります。

地震と宝くじ

優雅な生活を夢見て毎年年末ジャンボ宝くじに賭けているのですが、今年も当たりませんでした。かすりもしません。1等の当たる確率は1/20,000,000だそうです。この2000万分の1の確率は一生買い続けても凡な私にはまず当たらないでしょう。しかし「ひょっとしたら」と言う思いで凝りもせず買い続けています。もしこの確率が1/2だったとしたらどうですか?もう当たったも同然と考えてしまいます。
しかしこれより高い確率があります。1/1.4 10枚買えば7枚の1等が当たる確率です。もう当たる前から贅沢をしてしまいそうです。

今から25年前阪神淡路大震災が起こったのは記憶に新しい出来事です。その後長野、熊本、東日本、北海道に甚大な被害の地震が立て続けに起きました。気になるのが、この1か月のうちに日本各地で震度3~5の地震が頻発しています。大きな地震の前触れかもしれません。以前の大地震の前兆に短期間に小規模な地震の多発が記録されています。火山の噴火も前兆の記録もあり、フィッリピンの火山噴火もつい数日前でした。心配されるのが南海トラフ地震と東京直下型地震です。これらの地震の発生確率が正に10枚買えば7枚当たる確率です。70~80%の確率で30年以内に起こると言われます。30年以内と言っても30年先ではありません。1秒後かもしれません。今日中かもしれません。今年かもしれません。いつ起こってもの10枚の7枚です。

本当に地震が来る前に贅沢いや地震が起こったと思って準備をしておかないとなりません。宝くじで当たる前に贅沢をしてしまい、何かの都合で買えなかった後は辛い思いがありますが、地震の準備はやりすぎはありません。